<精神医療学習会開催>
♥実態にあった人員配置の引き上げを
「長期入院が多く症状が固定的だから、精神病床の人員配置基準を一般病床より低い療養病床相当としている」と言う厚労省の答弁は詭弁であり全く実態にあっていません。100床当たりの職員数(2017年度病院報告)では、7看護師は一般病院57.9人に対して、精神科は22.7人と半分以下であり「事務次官通知」が廃止されたと言っても、精神科差別の「精神科特例」は解消されていません。急性期だけでなく入院し退院までの全期間で、一般病床と同等以上に引き上げが必要です。医労連でも年2回実施している政府交渉では、厚生労働省に対して精神科の人員配置の見直しを求めています。
♥厚生省「630調査」の非開示問題
厚生労働省「精神保健福祉資料(630調査)」は、毎年6月30日時点の精神病院の状況を調べているもので、市民団体が都道府県などに情報開示請求し、精神科病院の状況を知る基礎資料となっています。しかし、2018年以降630調査について情報を非公開としている事が問題となっています。毎日新聞が精神疾患で50年以上入院している患者が1773人にも及ぶと報道したことに対して日本精神科病院協会が「患者の個人情報保護」を理由として調査への協力を拒否することをにおわせた事が発端となり、非公開の決定をする都道府県が相次ぎました。
これに対して市民団などが、2019年2月国会内で集会を開催してこれまで通りの開示を要求しています。今回の動きは個人情報の名目で精神科病院の情報を隠すもので、国民の利益を損なうものであると指摘しています。
これに対して市民団などが、2019年2月国会内で集会を開催してこれまで通りの開示を要求しています。今回の動きは個人情報の名目で精神科病院の情報を隠すもので、国民の利益を損なうものであると指摘しています。
♥進む2極化新入院者の減少と短期入院化、長期入院者の高齢化
精神科病床が津の病床利用率は、1990年代までは100%前後ありましたが、2021年6月分の統計(病院報告)では、全国平均83.6%まで低下し、都道府県別に見ても90%台はなくなってきています。新規入院者の減少と入院の短期化、長期入院者の高齢化と言う在院患者の「二極化」が進んでおり65歳以上の患者の割合は60%に達しています。今後もこの現象は急速に進むと考えられ、入院患者を追求する経営は危機に直面しています。
病床利用率の低下に伴い、経営危機を打開すする為にと認知症患者を入院させることで経営の安定を図ろうとする病院も出てきています。2021年6月末の精神科病床数316543床、在院患者269476人ですが、在院患者のうち認知症患者は4万8千人で、認知症患者を除いた在院患者は22万1千人となり、病床利用率は69.8%と70%を切っています。しかし、認知症患者の精神科病院への入院は、隔離収容政策の誤りを再び繰り返すことにもなりかねません。医労連は強く反対しています。基本は、精神疾患や認知症があっても住み慣れた地域で行き届いた体制の下、地域で治療や支援が受けられるべきではないかと考えています。
病床利用率の低下に伴い、経営危機を打開すする為にと認知症患者を入院させることで経営の安定を図ろうとする病院も出てきています。2021年6月末の精神科病床数316543床、在院患者269476人ですが、在院患者のうち認知症患者は4万8千人で、認知症患者を除いた在院患者は22万1千人となり、病床利用率は69.8%と70%を切っています。しかし、認知症患者の精神科病院への入院は、隔離収容政策の誤りを再び繰り返すことにもなりかねません。医労連は強く反対しています。基本は、精神疾患や認知症があっても住み慣れた地域で行き届いた体制の下、地域で治療や支援が受けられるべきではないかと考えています。